傾国の姫君
「お帰りなさい。」

「ただいま。これ、お土産だよ。」

「まあ。」

木箱を渡され、開けて見ると髪飾りが入っていた。

「綺麗。私に似合うかしら。」

「きっと似合うよ。」

夫の名は、慶文。

交易の仕事をしていて、帰って来るとこうして、私に髪飾りを買ってくれるのが常だった。

「ほら、似合う。」

「ありがとう、慶文。」

私が夫を抱きしめると、その間に正英が入った。

「お父さんとお母さんは、仲良しなんだね。」

「そうだよ。」

夫は、正英を抱きかかえた。

「お父さんはね、お母さんの事が大好きなんだ。」

「僕も、お母さんの事、大好きだよ。」

「一緒だな。」


そんな私達を見て、隣の夫婦の照葉さんと、夫の昇龍さんが、こっちを見ながら、ニヤニヤしていた。

「慶文のところは、いつも仲がいいな。」

「ウチとは違ってね。」

私達は、周りが認める程、仲のいい夫婦だった。
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