独占欲つよめ王子は、私だけをとくべつ甘く溺愛したい。
「ねぇ俊?こんなところで眠るのは無防備だからダメね!」
「え。……うん?」
って、注意していた自分が電車で眠ってしまうなんて。
それも俊の肩で……うぅ。
私も人のこと言えた立場じゃない。
駅を出て私が傘を広げていると、俊は何もささずに歩きだす。
「あれ俊、傘は?小雨でも地味にぬれちゃうよ?」
「忘れてきたー」
えっ!
朝早くからザーザーだったのに!?
まさか、雨に打たれてそのまま駅まで来たんじゃ……。