若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~
とは言え、性格上、本人を目の前にしたら何も言えない可能性がある。
告白が無理そうなら、部活でもお世話になったし、せめて何かプレゼントできたらと考えた。
旅館の手伝いを必死にしてお金をためて、長く使ってもらえたらと少し値段の高い高級ボールペンを購入したのだった。
迎えた卒業式当日、卒業生たちが式典を終えて、ぞろぞろと校舎から出てくる中、購入したボールペンが入った箱の包みを手に、私は蓮さんの姿を必死に探す。
やっと見つけた彼はたくさんの女子に囲まれていた。
中には、自分と同じようにプレゼントを手に話しかけるタイミングをうかがっている子も多く、みんな最後のチャンスを得ようと必死の様子。
溝田先輩は少し距離を置いてその光景を引き気味に眺めている。
その中心にいる蓮さんがものすごく帰りたそうな雰囲気を醸し出しているため、急がないと女子生徒を振り切って立ち去ってしまうかも焦りも込み上げてくる。
「好きです」と誰かが告白しているのが聞こえてきて、さらに不安は膨らんでいく。
告白と共に女子生徒からプレゼントだろう紙袋を差し出されて、蓮さんがわずかに身を引いた。
おまけに自分を取り囲む女子たちを横目で見て、ため息もついている。