若旦那様の溺愛は、焦れったくて、時々激しい~お見合いから始まる独占契約~

ここで自分も告白したら、卒業式に告白してきた女のうちのひとりになってしまうのだろうなと切なくもなったが、これが最後のチャンスになるかもしれないのだから落ち込んでなどいられない。

想いを告げられるだろうか。

もしそれがダメでも、プレゼントだけは渡したい。

覚悟を決めて歩み寄り話しかけるチャンスをうかがっていると、突然蓮さんが苛立ちをあらわにした。


「俺はここにいる誰とも付き合う気はないから、告白するつもりなら止めて欲しい。プレゼントも要らない。もらう義理もない」


ばっさりと切り捨てて、人の間をすり抜けるようにして歩き出す。

しかし途中で、彼の動きが止まった。

進んだ先にいた私と目が合った瞬間、彼はとても驚いた顔をした。

一拍置いて、蓮さんの視線が私が持っているプレゼントの箱へと移動する。

要らないと言われてしまったため気まずくなり、私はぎゅっと箱を握りしめる。

わずかに唇が動き、彼は何か言いかけたけれど、「蓮先輩、待ってください」と横から腕を掴んできた手をため息まじりで押しやって、再び歩き出す。それに溝田先輩が慌てて続いた。

< 40 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop