気づけば君が近くにいてくれた



───コンコン。



「実桜ちゃん、香純だよ?……おまけに藤波くんもいるよ?」


「なっ、おまけってなんだよ。相変わらず酷いな、小崎さんは」



変わらずドアの向こうで繰り広げられている夫婦漫才。



「ふふっ」



こんなに緊張していたのに、思わず笑ってしまう。


やっぱり好きだなぁ、香純ちゃんと藤波くんといるこの雰囲気。



「あっ、実桜ちゃんが笑った!」


「片寄さんにまで笑われるなんて……」



小悪魔のような笑顔を浮かべる香純ちゃんと、わかりやすく肩を落として落ち込む藤波くんの姿が目に浮かぶ。


あんなことがあったのに、2人はいつも通り。


私が変に意識しすぎているのかもしれない。



「香純ちゃん、藤波くん。今日は来てくれてありがとう。狭いけどどう……ぞっ!?」


「わぁーん、実桜ちゃん会いたかったよぉーっ!」



つい2日前にも会っていたのに、感動の再会のようなハグを受ける。



「もうっ、実桜ちゃんに会えなくて寂しかったんだからぁ……」


「香純ちゃん大袈裟だよ」



うるっと目を潤ませる香純ちゃんの背中をさすって慰めた。




< 118 / 195 >

この作品をシェア

pagetop