気づけば君が近くにいてくれた
───コンコン。
「実桜ちゃん、香純だよ?……おまけに藤波くんもいるよ?」
「なっ、おまけってなんだよ。相変わらず酷いな、小崎さんは」
変わらずドアの向こうで繰り広げられている夫婦漫才。
「ふふっ」
こんなに緊張していたのに、思わず笑ってしまう。
やっぱり好きだなぁ、香純ちゃんと藤波くんといるこの雰囲気。
「あっ、実桜ちゃんが笑った!」
「片寄さんにまで笑われるなんて……」
小悪魔のような笑顔を浮かべる香純ちゃんと、わかりやすく肩を落として落ち込む藤波くんの姿が目に浮かぶ。
あんなことがあったのに、2人はいつも通り。
私が変に意識しすぎているのかもしれない。
「香純ちゃん、藤波くん。今日は来てくれてありがとう。狭いけどどう……ぞっ!?」
「わぁーん、実桜ちゃん会いたかったよぉーっ!」
つい2日前にも会っていたのに、感動の再会のようなハグを受ける。
「もうっ、実桜ちゃんに会えなくて寂しかったんだからぁ……」
「香純ちゃん大袈裟だよ」
うるっと目を潤ませる香純ちゃんの背中をさすって慰めた。