気づけば君が近くにいてくれた



「あぁ、すごく羨ましい」



ちょっと間を開けてから、羨ましそうな視線を私に送りながら、藤波くんが言った。


そんな藤波くんのまっすぐな瞳に胸がトクンと音を立てる。



───なに、これ。



「ちょっと、2人の世界に入らないでくれる!?」



初めて感じるその気持ちに戸惑っていると、頬を膨らませながら香純ちゃんが私と藤波くんの間に入る。



「そ、そんなことないよっ!」



なんだか香純ちゃんが勘違いしている気がして、すぐ訂正を入れた。



私たちの関係はそんなものじゃない。


きっと─────まだ。



「僕はもっとミオちゃんに見て欲しいんだけど」


「なっ……」



私のことを“ミオちゃん”と呼ぶ藤波くんの甘い声に、胸がドキドキとうるさく音を立てる。



「ダメっ!まだ藤波くんに実桜ちゃんは渡さないんだから!!」



予想外の言葉に私は思考が停止する。



私に……見て欲しい?


藤波くんは、どうして私にそんなことを?


もしかして、藤波くんって私のこと本当に……



藤波くんの気持ちは、私にはわからない。



でも、私は藤波くんのこときっと───



「ほらっ、早く実桜ちゃんもおいで!」


「行くよ、ミオちゃん」



立ち止まっていた私に2人が同時に振り返って私を呼ぶ。



「待って、香純ちゃん!蒼くん!」



横髪が少しかかった蒼くんの耳は少しだけ赤く見えた。


それと同じくらい私の頬も火傷跡なんて見えなくなってしまうくらい赤くなってしまっているに違いない。





きっと、私たちが今以上の関係になるのには、そう時間はかからないだろう。








─end─


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