気づけば君が近くにいてくれた



SNSを始めてから、今日はこの歌を聞いたとか、あの歌のこんな歌詞が好きだとか。


その時に感じたことを呟いていると、だんだんとフォロワーが増えていった。


やっぱり年齢層は高くて若い人はあまりいなかった。


ある日、C&Hの出している曲の中でもマイナーな曲が好きだと曲名を出して呟いた時、いいねが付いて、初めてコメントが来た。


その人がアオイさんだった。


アルファベットで “AOI” というのが、その人のペンネーム。


ちなみに私のペンネームはカタカナで “ミオ” だ。



《ミオさん!それめっちゃわかります!!》



その一言が私たちの関係の始まりの合図だった。


しばらくコメント欄でやり取りをしていたけれど、ダイレクトメールで話すようになって、ふとした話の流れで偶然にも同い年の子だということを知った。


そんなアオイさんからのメッセージ。


トンっと画面をタッチして、メッセージを表示させる。



《学校はどうだった?》



可愛いニコニコマークの絵文字をセットにした短いメッセージ。



《やっぱりダメで、すぐ逃げてきちゃった》



アオイさんには素直な気持ちを打ち明けられる。


きっと本当の名前も顔も知らない相手だから。






< 23 / 195 >

この作品をシェア

pagetop