気づけば君が近くにいてくれた
SNSを始めてから、今日はこの歌を聞いたとか、あの歌のこんな歌詞が好きだとか。
その時に感じたことを呟いていると、だんだんとフォロワーが増えていった。
やっぱり年齢層は高くて若い人はあまりいなかった。
ある日、C&Hの出している曲の中でもマイナーな曲が好きだと曲名を出して呟いた時、いいねが付いて、初めてコメントが来た。
その人がアオイさんだった。
アルファベットで “AOI” というのが、その人のペンネーム。
ちなみに私のペンネームはカタカナで “ミオ” だ。
《ミオさん!それめっちゃわかります!!》
その一言が私たちの関係の始まりの合図だった。
しばらくコメント欄でやり取りをしていたけれど、ダイレクトメールで話すようになって、ふとした話の流れで偶然にも同い年の子だということを知った。
そんなアオイさんからのメッセージ。
トンっと画面をタッチして、メッセージを表示させる。
《学校はどうだった?》
可愛いニコニコマークの絵文字をセットにした短いメッセージ。
《やっぱりダメで、すぐ逃げてきちゃった》
アオイさんには素直な気持ちを打ち明けられる。
きっと本当の名前も顔も知らない相手だから。