合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
魔物の肉(二)
やはりキースが気になっているというのは、そのコトだったのか。
しかもそれを直接ギルド長に尋ねるなんて。聞かれたギルド長も、意味が分からず、ぽかんとしている。
ああ、恥ずかしい。
穴があったら、今すぐ入ってしまいたい。
何もギルド長に直接確認しなくても、もっと他の……文献を調べるとかやり方はありそうなものなのに。
手っ取り早いのは分かるけれども。さすがにこれは……。恥ずかしい。
「正気ですか、殿下。あんなもん、食う気ですか? どうしちまったんですか」
「いや……。ほら、頭とか取って皮剥いたら、あれだって一応肉だろ」
「まぁそりゃあ、肉といえば肉だとは思いますが……。ええ、殿下、ホントに食うんですか」
「んー、まぁ、食べられるなら一度食べてみたいんだが」
「なんともこれは。殿下も随分なチャレンジャーですな。まさか王族のような方がそんな突拍子もないことを言い出すなんて、オレでもびっくりですよ」
「ああ……い、や……なんていうかな。その……言い出したのは俺じゃないんだが。言われたら、どうしても気になったもんでな」