合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
手伝い(三)
今日出かける時に、ずいぶんミアの機嫌がいいと思ったら、グレンと合流することになっていたのか。
だが、その分押し付けられたキースは可哀相の一言に尽きる。私は籠をテーブルに置くと、キースの机に近づいた。
「この書類は私が見ても大丈夫ですか」
「ああ、こっち側のは基本的に誰が見て、処理しても問題ないものだが。そんなものを見ても、面白くはないだろう」
キースの指さした書類を手に取る。
税率の計算や、その他人件費などの計算書などだ。
また、城に仕入れる物の、見積書などがある。これぐらいならば私にも問題なく出来る範囲だろう。
書類の束をそのまま、キースのテーブルから客間用のテーブルに移す。
「ソフィア、それをどうするんだ」
「こういうものは二人で手分けした方が早く終わります。計算は得意ですので、問題ありません。何か書いても問題ない紙と、ペンを貸してください」
「いや、それはいいんだが……、だがしかし……」
「その代わり、早く終わったら何か買ってくださいますか?」
いたずらっぽく、笑いかけると、キースは笑い出す。
「分かった。では、そちらを頼む。今日は何とも味気ないデートになるかと思ったが、急いで終わらすとしよう」