合わせ鏡の呪縛~転生して双子というカテゴリーから脱出したので、今度こそ幸せを目指します~
氷の美姫(四)
「ソフィアの捉え方だと、ずいぶん卑屈というか、悪意を感じるな。そんなこと、誰が言ってたんだ」
「誰が……」
言われるようになったのは、私が夜会へ参加するようになってすぐだ。
元々、ああいう場では愛想は良くなく、たいしてにこやかにも出来ない自分に、コンプレックスを持っていた。
女の人が扇子越しにヒソヒソ話す姿も、まるで値踏みをするかのような男の人からの視線も、私には耐えられなかったから。
だからいつも、簡単な挨拶だけ済まし、そそくさと帰る日々が続いた。
確かその頃、後から帰ってきたミアに言われたのだ。
『姉さま、笑わないし愛想が悪いから、他の方たちから氷の姫君なんて呼ばれていましたよ。もっと、愛想よくしないと』
それからというもの、どんな視線もみんなが私をそういう目で見ていると疑心暗鬼になってしまった。
ただでさえ、引っ込み思案で、人付き合いがうまくない私には全てが致命傷だったのだ。
「妹から、ですかね……」
「グレンからとても仲の良い姉妹と聞いていたのだが……。もしかすると、他の人の口から口へと噂が回るうちに、違いものに変化してしまったのかもしれないな」
「誰が……」
言われるようになったのは、私が夜会へ参加するようになってすぐだ。
元々、ああいう場では愛想は良くなく、たいしてにこやかにも出来ない自分に、コンプレックスを持っていた。
女の人が扇子越しにヒソヒソ話す姿も、まるで値踏みをするかのような男の人からの視線も、私には耐えられなかったから。
だからいつも、簡単な挨拶だけ済まし、そそくさと帰る日々が続いた。
確かその頃、後から帰ってきたミアに言われたのだ。
『姉さま、笑わないし愛想が悪いから、他の方たちから氷の姫君なんて呼ばれていましたよ。もっと、愛想よくしないと』
それからというもの、どんな視線もみんなが私をそういう目で見ていると疑心暗鬼になってしまった。
ただでさえ、引っ込み思案で、人付き合いがうまくない私には全てが致命傷だったのだ。
「妹から、ですかね……」
「グレンからとても仲の良い姉妹と聞いていたのだが……。もしかすると、他の人の口から口へと噂が回るうちに、違いものに変化してしまったのかもしれないな」