堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 ジルベルトは休暇明けということもあって、まずは現在抱えている業務の整理を行っていた。必要なことは現状把握。
 それから団員達が交代で取得するための休暇希望の調整やらなんやらかんやら、という事務処理に追われていた時に、部屋をノックされた。
 返事をすると、広報部のドミニクが入室してきた。

「リガウン団長。休暇明けのところを申し訳ございませんが、第零騎士団のショーン団長より会食の希望がきております。本日の昼食か夕食か、お時間がとれますでしょうか」

 相手が第零のショーンという時点で嫌な予感しかしなかったが、では昼食でと返事をした。嫌なことは早くこなした方がいいだろう。

「承知しました」
 ドミニクは事務的に言葉を交わして、部屋を出ていく。それと入れ替えにサニエラが入ってきた。

「今のは広報部のドミニク殿ですか?」
 振り向きながらサニエラが言った。

「そうだ」
 ジルベルトは追われている書類から顔をあげずに答えた。

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