堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 ダニエルの質問に、ショーンは顔を埋めたまま「そうだ」と答える。

「エレオノーラかレオンか、という究極の選択ですか?」
 ダニエルのその言葉に、選択肢が選択になっていないような気がする。と当事者のエレオノーラは思っていた。

「そうだ。究極すぎて、どうしたらいいかがわからん」
 やはり、ショーンは顔をあげることができない。

「断る、ということは無理ですよね」

「エレオノーラとしては断ることはできるが、レオンとして断ることはできないだろうな。何しろ、陛下からの命令となれば、騎士団の任務となるからな」

 ショーンの話を聞き、ダニエルは隣に座っている妹に視線を向けた。妹は何を考えているかわからない。

「団長。ここはエレオノーラであれレオンであれ。やはり、リガウン団長に相談した方がよろしいのではないでしょうか」

「やっぱり、そうだよな」
 そこでやっとショーンは顔を上げた。その顔には大きく、困ったな、と書かれていた。


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