堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
「あります。私の妹のエレオノーラはとても可憐な妹です。しかも病弱ですので、人前に出ることは滅多にありません」

 兄が真面目な顔をしてそんなことを言うので、口にいれていた食べ物を思わず吹き出しそうになってしまったエレオノーラ。あれ、そんな設定だっけ? としきりに思い出す。

「ですが、レオンは騎士ですから。自分の身は自分で守れます。ちなみに、妹はこう見えても腹筋も割れています」
 兄よ、いらん情報を流すな。そして、いつ確認した。と、食べ物を飲み込んだ後に心の中でツッコミをいれるエレオノーラ。

「ああ、それは知っている」
 そして夫よ、そこで肯定しない。この二人に何を言われるのかと、冷や冷やしているエレオノーラであるが、男三人はいたって真面目な顔。レオンという仮面をつけている今、自分だけ表情を崩すのもまずいだろう。

「自宅待機中も、訓練に励んでいたようだな」
 とショーンは二人の話を受け流していた。

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