堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます

9.お食事にいきましょう

 バーデールに着いたその日の夜は簡単な身内のみでの食事。
 次の日は主に会議。夜は関係者を集めての会食。
 そして三日目以降は王都周辺の視察。というスケジュールになっているらしい。基本的に通訳のエレオノーラとドミニクは、クラレンス陛下に交代でどちらかがついている形になる。自由になれるのは、クラレンスの夜の会食が終わってから次の日の朝食の時間まで。この時間には公務が入っていないから、通訳の二人の出番は無い。むしろ護衛騎士にとっては、プライベートな時間となるため、一番気が抜けない時間帯ともいえる。
 さて、その護衛の方は、五人でローテーションを組んでいるらしい。ジルベルトが近くにいるときもあるし、いないときもある。基本的には陛下付きの護衛騎士がメインでついているらしいのだが。その辺のことはエレオノーラにはよくわからない。

 そして彼女とって慣れない通訳は大変だった。ドミニクがいて、お互いがお互いをフォローできるからいいものの、一人では無理だったかもしれない。ドミニクをつけてくれたショーン団長には感謝しなければいけないかも、とエレオノーラは思っていた。

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