堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 エレオノーラはドロシーが用意してくれたお茶を手に取り、色を確認してから香りを嗅いだ。そして一口飲む。

「エレンさんて、やはりただ者ではないよね」
 足を組んだアレックスが言う。
「なんか、洗練された動きを感じる」

「どういう意味、でしょうか?」
 ただお茶を飲んだ、というだけなのに。

「うん、深い意味は無い」
 エレオノーラの中で警笛が鳴った。
 このアレックスは要注意人物。さすが、あのなんとか大臣の息子なだけある。

「それで、私にどのようなご用件でしょうか?」
 エレオノーラのそれはドロシーに接する態度とは異なり、アレックスに対しては少し攻撃的なものだった。

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