堅物騎士団長から妻に娶りたいと迫られた変装令嬢は今日もその役を演じます
 というのも、騎士団はその不人気一掃のために、学生を騎士見習いとして受け入れることにしたからだ。基本的には学院の授業が無い日。そしてそれの初日が今日。
 各団長が学院に赴いて、めぼしい生徒を騎士見習いとしてスカウトしてきたらしい。そのスカウトされた生徒の名簿をエレオノーラが確認すると、見知った名前がちらほらと。
 クリス・トーレス、キャシー・ミラー、ジェイミ・タイラー、サイモン・フロスト、サリー・ヘイマン、ベルニス・ノアイユ。

 そして。
「エレオノーラ・リガウンです。皆さんがこちらで騎士見習いとして学んでいくためのお手伝いをさせていただきます」

 カタンと椅子を鳴らして立ち上がる生徒がいた。
「もしかして、エレンちゃん?」

「はい、お久しぶりです。ドロシーさん」
 学院で一番最初に声をかけてくれた生徒を、もちろんエレオノーラは忘れていない。彼女はドロシー・ラワット。

「エレンちゃんって、年上だったの?」
 ドロシーのその言葉に、他の生徒も動揺する、が。

「こう見えても人妻だ」
 というドミニクの一言によって、その場はさらに凍りついた、とか。



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