お兄ちゃんが好き

家族が離れた

夏休みになった。
兄は、20歳になり、
アパートを借りて、1人暮らしのための荷造りをしていた。

「ホントにいっちゃうんだ。」
お兄ちゃんは、毎日いる存在で、
いなくなる想像があまりできていなかった。
私は寂しかった。

「いつでも会えるよ。
 帰ってくるし、遊びにこればいいよ。」
「うん。」

家族で見送り。
「じゃあね。たまにはちゃんと帰ってきてよ。」
「はい。行ってきます。」

『あー、行っちゃった。』

部屋に戻り、泣いた。
何の涙かよくわからなかった。
家族が家を出ただけなのに。
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