オトメは温和に愛されたい
 温和(はるまさ)がじっと私を見つめている視線がくすぐったくて、胸前で手をクロスさせるようにして胸を隠したら
「隠すな」
 って注意されてしまう。

「……でもっ」

 眉根を寄せて温和(はるまさ)を見つめたら腰骨に両手をあてがわれて腰をほんの少し温和(はるまさ)の方に引き寄せられた。

「ひゃっ、……んっ」

 途端、少し先端が触れているだけだった私の中に、温和(はるまさ)が押し入ってくる。
 不意を突かれた形になった私はバランスを崩しそうになって慌てて温和(はるまさ)の胸の上に両手をついて身体を支えた。

 (おお)いを失った胸がふるっ、と揺れて、汗ばんだ肌に空気がひんやりと感じられる。

 その温度差に先端の尖りを刺激されるような錯覚がして、慌てて胸を隠し直そうとしたら、温和(はるまさ)が再度私の腰を抱き寄せてきて。

「やっ、……ダメぇッ、は、るま、さぁ……っ」

 腰を引き寄せられるたびに瞬間深くなる結合部に、私は温和(はるまさ)の胸に手をついたまま何とか腰を浮かせて耐える。

「胸、隠すの、やめる?」

 でないとまた同じことをするよ?って暗にほのめかせる温和(はるまさ)に、私は涙目でうなずいた。
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