オトメは温和に愛されたい
***

音芽(おとめ)、シャワー浴びたら指輪見に行くぞ」

 昨夜は結局色々ありすぎて2人して夜更かししてしまった。

 温和(はるまさ)らしいプロポーズの余韻に浸りながら一緒に布団に入って、何だかんだでまた彼に求められて拒めなくて応じて。

 目が覚めたら昼過ぎだったのは……まぁ仕方ないかもしれない。

 温和(はるまさ)ってば結構……何ていうか絶倫なのかもしれない……。

 私、彼と一緒になって身体、もつかな。
 なんて思ってしまったの、仕方ないよね?

 自身はすでにシャワーを済ませたらしく、下だけ履いた状態に首からタオルを引っ掛けて髪を拭きながら、温和(はるまさ)がリビングの方から声をかけてくる。

「ん、シャワー浴びたら……ってひゃっ!」

 まだ気怠さの残る身体をベッドの上に起こしてから、自分がまだ裸のままなのに気がついて思わず布団を被りなおす。
 その状態のまま、温和(はるまさ)の言葉をもう一度頭の中で繰り返した。

 シャワー浴びたら指輪?
 って……え!? え!? もしかして……今から!?

 私、温和(はるまさ)は割と冷静で思慮深くて穏やかなイメージがあったんだけど……実際はかなり猪突猛進型なのかも、って思った。

「あ、あの……それって……今からってこと?」

 恐る恐る聞いたら、「お前、俺のだって印、欲しくねぇのかよ?」って睨まれて。

 ほ、欲しいけど……そんな慌てて行かなくても大丈夫だよ?って思った途端、まるでそれを見透かしたみたいに温和(はるまさ)が言うの。
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