オトメは温和に愛されたい
***
「鳥飼先生、今日は仕事、早く終われそうですか?」
放課後、職員室でデスクワークをしていたら、温和に何でもないことみたいに問いかけられた。
「はい、多分……平気、です」
婚約報告からこっち、川越先生からのちょっかいもなくなって、日々穏やかに過ごせている。
そのお陰で、私も心安らかに仕事ができるようになって、早く帰れる日が増えてきた。
職場への婚約宣言もあって、周りからの目もあるし、何より私、温和からもらった指輪をしてるからかな。
左手薬指にリングがあるだけで私自身かなり気持ちが引き締まって、そういうのが彼女にも伝わったように思うの。
一度だけ、「音芽ちゃん、幸せにならないと許さないからね」って、すれ違いざまに声を掛けられたことがある。
すぐに「川越先生!?」って声を掛け直したけど、彼女は振り向かずに手を振って行ってしまった。
あれ以来、川越先生は明らかに単なる“同僚のひとりとして”接してくださるようになったの。
温和もそう言う変化を感じ取ったのか、必要以上に川越先生に対して警戒することがなくなったように思う。
「鳥飼先生、今日は仕事、早く終われそうですか?」
放課後、職員室でデスクワークをしていたら、温和に何でもないことみたいに問いかけられた。
「はい、多分……平気、です」
婚約報告からこっち、川越先生からのちょっかいもなくなって、日々穏やかに過ごせている。
そのお陰で、私も心安らかに仕事ができるようになって、早く帰れる日が増えてきた。
職場への婚約宣言もあって、周りからの目もあるし、何より私、温和からもらった指輪をしてるからかな。
左手薬指にリングがあるだけで私自身かなり気持ちが引き締まって、そういうのが彼女にも伝わったように思うの。
一度だけ、「音芽ちゃん、幸せにならないと許さないからね」って、すれ違いざまに声を掛けられたことがある。
すぐに「川越先生!?」って声を掛け直したけど、彼女は振り向かずに手を振って行ってしまった。
あれ以来、川越先生は明らかに単なる“同僚のひとりとして”接してくださるようになったの。
温和もそう言う変化を感じ取ったのか、必要以上に川越先生に対して警戒することがなくなったように思う。