リナリアの咲く季節には、キミが隣に。
「菫ちゃん、これからもずっと、俺の隣にいてくれますか?」

涙で、先輩の顔が見えないよ。


「……いや、違うな。これは俺からのお願い。頼むから、俺の隣で笑ってて」


「ふふっ、何ですかそれ。せっかく途中まで良かったのに」

泣きながら笑った。


「その顔だよ。その菫ちゃんの、花が咲いたような笑顔が、俺、大好きだからさ」

こんな幸せがあるのなら、私は他に何もいらないよ。
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