「LOST LOVE 小さくても良いから明かりを見つけたい」金沢OLのピュアな恋。

第五章 初めての同窓会

 
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わたし、大人が恋の夢を持って何が悪いかとずっと思ってきた。
秋風が冬の風に変わり、身にしみる季節となった日。

勤め先の庭先に職人さんたちが集まり、
「雪吊り」の準備をしているのに目がとまる。
雪吊りって、分かりますか?
雪で松の枝が折れないように、縄で吊るの。
もう直ぐ、この北陸金沢の地にも厳しい冬がやってくる。

「人恋しい季節」になったのかなあ。
今朝、珍しく、百合(ゆり)より電話がはいる。

「ゆき乃、今夜の同窓会へ行くんでしょう。待ってるからね」
でも、返信はがきにマルを付けたけど、正直言って出席を迷っていた。

あの頃のおかっぱ頭の百合、身なりなど気にしない愉快な令輔(のりすけ)、マドンナの佳子(けいこ)の懐かしい顔が思い浮かんでくる。その夜、高校の同窓会が地元で初めてあって、久々に皆に会い話したくなり出かけてみた。
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