ばぁか、
もう一度、「ばぁか」と口を動かす。

ねぇ、あなたにとっての私は何だったの?

特別だと信じていたのは本当に私だけだったのかな?

『お前はそのままでいいよ。俺が側で守ってやるから、変わらなくいいんだ』

右も左も分からないほどの暗闇に、真っ直ぐに光を差し込んでくれたのは紛れもないあなただったんだよ。

『お前は笑ってる方が百倍可愛い!』

その時は照れ臭くて、思わずそっけなく返したけれど、あの後鏡の前で必死に笑顔の練習をしたこと、知らないでしょ。

いつもグズグズしている私を急かさず、そっと手を取って一緒に歩いてくれたよね。

地味だ地味だと罵られる私に、誰よりも早く駆けつけて庇ってくれたよね。

ほら、こんなにもあなたでいっぱい。

“大好き”でいっぱい。

< 6 / 10 >

この作品をシェア

pagetop