SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
「・・・永遠に葉月が記憶を戻さなければ…一生分からないコトだったんだな…吉良」
「そうだな…」

「・・・ジェームズ家は世界でも有名な大富豪だ…吉良たちにとっては不都合なコトだよな…」

「・・・だから…その機を境に俺達は葉月さんから一切の関係を断ち切った。こんな感じで食事をしているのを夢のようだよ…」

吉良さんはそう言うとグラスのワインを飲んだ。



「・・・吉良お前は顔は広いけど…その付き合いは浅く、深く人と関わろうとはしなかったな…」
「藤堂お前だって・・・そうだろ?」

「・・・ん、あ・・・そうかもな」

「・・・俺の周りに群がる連中はジェームズ家の恩恵に与ろうとする連中ばかりだった。
でも、芽衣子だけは違った…」

「芽衣子?」

「あ…俺と同じ高校の通っていた日本人留学生だ…彼女とは婚約までしたんだけど…事故で亡くなってしまった…日本の『ジーザス』に就職したのは父さんや芽衣子の育った国が見たかったんだ」

「・・・へぇー…」

「・・・吉良…お前の相手は芽衣子さんだけじゃないだろ?恋愛経験豊富なお前の話訊いていたら、それだけでお腹いっぱいになりそうだな…」

「私は訊きたいです。芽衣子さんとの話、教えてください。吉良さん」

「そう?じゃ訊く?葉月さん」

「はい、喜んで…」

「葉月!?」

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