SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
社長はカップに残った僅かなコーヒーを飲み干し、リクライニングチェアから腰を上げて会議室に行ってしまった。

残された私は遊佐課長に内線を入れて、もう一度資料を貰えるよう頼んだ。

「はい、これが資料です」

遊佐課長が社長室に資料を届けてくれた。
「ありがとう御座います。助かりました…」
遊佐課長も社長の執拗な誘いで『順天堂』退職して、我が社に来た人。

遊佐課長なら、私の話に共感してくれるかもしれない。

「社長って、全てにおいて淡泊に見えるけど、執着心の強い方ですよね」

「え、あ…そうだな」

私の思った通り、遊佐課長は共感してくれた。
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