SWEETHOLIC《2》~社長と秘書の恋の始まりは社長室から~(完)
社長は秋の新作のコースとフランスのボルドー産のヴィンテージ物のワインを頼んだ。

暖色系のダウンライトが照らす室内。
窓の外を見れば眩い東京の夜景。
目の前に座るのは私が良く知る人物・ハイスペックでイケメンの社長。

「早波さんを相手にこんな風に緊張するのは初めてだ」
そう言って、社長ネクタイを少しだけ緩め、シャツの一番上のボタンを外した。
社長が秘書の私に隙を見せるコトは今までなかった。彼の仕草の一つ一つから目が離せない。
「私もです。社長」

社長がオーダーしたワインで乾杯する。

コースメニューも順に運ばれて来た。

ふと見れば、ボトルの中のワインが知らず減っていた。

「社長?ワインのピッチ早くないですか?」

社長は緊張を解す為、ワインを一人で煽っていた。

「空かし腹に吞まないで下さい…社長…キチンと食べないと酔いますよ」

「じゃ君も飲んで、早波さん」

彼は私の空のグラスにボトルに残っていたワインを全部注ぎ、また同じワインをオーダーした。

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