俺の好きにさせてください、お嬢様。




わたしがプレゼントしたリボンタイが大切そうにほどかれて、シャツもプチプチとボタンが外されて。

一緒なら怖くないだろ?と、わたしの厚手のニットセーターも脱がされてしまった。



「あっ…、だめ、寒いから…っ、」


「安心しろ、すぐ暖めてやる」


「ハヤ…っ、んんっ…!」



と言いつつも、キスをしながら抜かりない動きで暖房の温度が上げられた。


こんなときもSランク。

さすがだ……なんて見惚れている暇なんかない。



「…絶対に嫌なことはしない。どうしても怖いなら言え、今なら止めれる」


「や、やめないで…、」


「っ、…エマ、」


「嫌…じゃない……、…や、優しく…してくれる…?」



少し驚いた顔をされた。

はあっと熱い吐息を吐いて、首筋に顔を埋めてきた。


言葉にしなくても伝わってくる、肌を撫でるような心地よさが何よりの証明。



「ハヤセ、ハヤセ…っ」


「真冬」


「っ、真冬…、だいすき…っ」



絡められた指が繋がれて、全身に落ちてくる甘い甘い唇。


とある真冬の日。

優しい笑みを、愛しさを含むみつつも悪戯なものへ変えた早瀬 真冬という専属執事は。




「なら───…俺の好きにさせください、
お嬢様。」




これからも笑って泣いて、毎日を一緒に過ごす、

わたしの近い未来の旦那様でもあるらしいのです───。



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