僕は、空の上から君を見守る
「くそ!中々手強いぞ!」
巨大な竜巻を相手に風を何度もぶち当てるルーホー。
だいぶスケールはちっさくなってきたものの
抵抗するかのように
前後左右にフラフラ動きながら
活動を続ける竜巻。



「風の監獄からの脱獄、、、。」
ブルーはルーホーの正体に言葉を失う。
「そうだ!あんたの街を!あんたをもう一度救う為にここへ来たんだ!」
それは犯罪者だからではない。
ルーホーが歩んできた大変な道のり。

『彼はある日、、、一つの風を動かした』

それは父を救う為にした事。

『彼は私利私欲で世界を狂わせた大罪人』

そのせいで捕まった。

『街の風を管理する立場にありながら』

きっと、ずっと見守ってくれていた。

『あんたの街を!あんたをもう一度救う為に!』

私の為に脱獄して
来てくれた。

そして、、、

チューリップ畑を思い出す
『僕がまた沢山の花が摘めるように!』
『街も花畑も元に戻すから!』

今もなお、私達を守ってくれている。

竜巻と戦うルーホー。

そう、思うと居ても立っても居られず
ルーホーの元へ駆け出した。



「ルーホー!!!」
その想いを込めた声に竜巻に風をぶつけていた
ルーホーの手が止まる。
懸命に走ったブルーは
はぁはぁと、息を切らせながらニッコりルーホーを見つめる。

「ブルー?」
その微笑みが何を意味するのか今はまだ気付かず
でも自分に笑いかけてくれている事が
嬉しくって
「ははっ、、、」
ついルーホーもニッコり笑顔になる。

すると!
それに機嫌を損ねたかのように
ルーホーに足止めされていた竜巻が踵を返し
グワッ!とブルーに狙いを定め
襲いかかる!
「ブルー!!!」

「えっ!!!?」
巨大な竜巻に睨まれ
迫りくる圧力にブルーは恐怖で目を瞑る。
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