赤い雫のワルツ
*
頭が重い……それに加えて全身も重い。
徐々に覚醒していく意識を獲得しながら、瞼をそっと開けた。
白いレースが施された天蓋が、私を守るようにそこにあった。
ここは何処だろうと、まだ動かない身体に喝を入れようと寝返りを打った。
「……よく眠れたかい」
私の隣で寄り添うように横になる一人の男性。
優しい、聞き覚えのあるその声に、小さく首を傾げた。
私の反応に少々困った顔を見せた、その人はどこか苦しそうな表情を浮かべ始めた。
何か言葉を紡ごうと試みるけれど、どうやら言葉が見つからないらしい。
何度か開かれた口からは、何も発してこなかった。