赤い雫のワルツ





 頭が重い……それに加えて全身も重い。


 徐々に覚醒していく意識を獲得しながら、瞼をそっと開けた。


 白いレースが施された天蓋が、私を守るようにそこにあった。


 ここは何処だろうと、まだ動かない身体に喝を入れようと寝返りを打った。



「……よく眠れたかい」



 私の隣で寄り添うように横になる一人の男性。


 優しい、聞き覚えのあるその声に、小さく首を傾げた。


 私の反応に少々困った顔を見せた、その人はどこか苦しそうな表情を浮かべ始めた。


 何か言葉を紡ごうと試みるけれど、どうやら言葉が見つからないらしい。


 何度か開かれた口からは、何も発してこなかった。





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