赤い雫のワルツ
痺れる痛みが全身に走り、生暖かいご主人様の舌が首元を優しく舐める。
ご主人様にしがみついていると、彼は軽やかなステップを小さく刻み始めた。
初めて出会った時と同じワルツを一緒に踊りながら。
意識が遠のきそうになるのに、ご主人様と過ごした日々の記憶の全てが私に流れ込んでくる。
滴り落ちる私の血が床に落ちては、薔薇のように広がった。
「ああ……カレロア……君を愛している。愛しているよ。私の大切な人――」
獣になる前の僅かな理性で、ご主人様は私に愛を囁いた。
それだけで私は十分に幸せで、遠のく意識の中で、ハッキリと伝えた。
「私もご主人様を愛しています。これまでも……これから先、ずっと……」
ようやく素直に言えた気持ちに、胸を撫で下ろすと……私の意識はプツリとそこで途切れた。