そろそろ喰ってもいい頃だよな?〜出会ったばかりの人に嫁ぐとか有り得ません! 謹んでお断り申し上げます!〜
花々里(かがり)ちゃんは聞き分けのいい子だったから。昼間は保育園でいい子にしていてくれたし、夜だってシッターさんの手をそんなにわずらわせなかったみたい」


 小さい頃から人見知りはなかったらしくて、誰にでも物怖(ものお)じしないところのある子供だったらしい。


 だからといって、お母さんが思うように何も問題がなかったかというとそういうわけでもなくて――。


 怖がりこそしなかったけれど、だからといってシッターさんに懐くこともなかったんだとか。


「あなたはお母さんが帰って来るまでは用意されたご飯を食べない子だったのよ」


 そのくだりは、何度聞いても「それ私じゃない子の話じゃないの?」って思ってしまうのだけど、まぎれもなく私のことらしい。
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