政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「父が手を回して、私の就職の内定を取り消したようです」

「やっとか」

「え!?」

「仕返しになにかしてくるだろうな、と思っていたけど」

「ようやく動き出しましたね」

二人はこうなるのが、だいたいわかっていたのか、驚きもしなかった。

「せっかく入社が決まっていたのに」

「そんなショックかな?」

「そうですよ。朱加里さんは井垣の財産をもらうんだから、働かなくていいと思うんですが」

「大した金額じゃないだろう?」

グサッとその言葉が胸に突き刺さった。
そ、それはそうだけど。
私にしたら、大したことある金額だった。

「壱都さんにはわからないですよ!せっかく、毎月地道にお給料を貯金する楽しみを!」

「それはわからないね」

「そこは嘘でいいから、貯金してることにして話を合わせてください」

「たぶん、貯金はしてるよ。振り込まれてるだろうし」

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