政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「壱都さんが財産を持たない私でもいいと言うなら、財産はいらないです。私は壱都さんがいてくれれば、それでいいんです」
「それは―――」
怖い顔をしていた壱都さんの表情が崩れた。
「今、言わなくてよかったかな」
「えっ?」
いつならよかったんだろうと思いながら、町子さんをソファーに座らせた。
「温かいお茶を持ってきますね」
お茶を出すと町子さんは軽く頭を下げた。
町子さんも若くはない。
井垣を辞めて、すぐに次の勤め先が見つかるとは思えなかった。
一緒に働いていた時より、そんなに時は過ぎてないのに体は小さく見え、丸まった背中のせいか、老いて見えた。
「井垣の家を辞めたのはお祖父さんに申し訳なく感じていたからでしょう?」
町子さんは小さくうなずいた。
「だって、町子さん。私によく言ってたじゃないですか。体が動く間は井垣の家を辞めないって」
「朱加里さん……」
「それは―――」
怖い顔をしていた壱都さんの表情が崩れた。
「今、言わなくてよかったかな」
「えっ?」
いつならよかったんだろうと思いながら、町子さんをソファーに座らせた。
「温かいお茶を持ってきますね」
お茶を出すと町子さんは軽く頭を下げた。
町子さんも若くはない。
井垣を辞めて、すぐに次の勤め先が見つかるとは思えなかった。
一緒に働いていた時より、そんなに時は過ぎてないのに体は小さく見え、丸まった背中のせいか、老いて見えた。
「井垣の家を辞めたのはお祖父さんに申し訳なく感じていたからでしょう?」
町子さんは小さくうなずいた。
「だって、町子さん。私によく言ってたじゃないですか。体が動く間は井垣の家を辞めないって」
「朱加里さん……」