政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
当然、井垣の家に三人は住むことはできなくなり、今は芙由江さんの実家にお世話になっているらしい。

「井垣の家にやっと戻られてよかった」

「お屋敷の灯が消えたままだと、寂しいですからね」

「きっとお祖父様もお喜びですよ」

「そうだといいんですけど」

「こんなにいい天気になったんですよ。きっと祝福していますよ」

朝まで雨が降っていたのに式の前になると、不思議と雨が止んだ。
窓の外は天気がよく、白い窓枠からは風で緑の木々が揺れているのが見えた。

「そろそろ、お式が始まりますね。私達は席に座りましょうか」

先生達はまるで女学生のようだった。
イキイキとして、楽しそうにお喋りをしながら、控室から出て行った。

「花嫁さん、時間ですよ」

「はい」

ドアを開け、案内されると白河のお祖父さんが待っていた。
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