政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「壱都さん、ちょっとよろしいかしら」

芙由江(ふゆえ)さんがリビングから、出てきて壱都さんを呼び止めた。

「おい、芙由江。相手は白河財閥なんだぞ。やめておけ」

「なにを言ってるの。相手に不足はないでしょう。紗耶香は井垣グループの社長令嬢なんだから」

なにを言うのだろうと思っていると―――

「壱都さん。紗耶香はまだ学生だし、今すぐじゃなくでもよろしいのだけれど、娘との結婚を考えて頂きたいの」

結婚!?
私は驚いて豆のボウルを落としそうになった。
紗耶香さんは私の一つ下の高校一年生。
春からは二年生になる。
今すぐじゃないってことは結婚はまだだけど、婚約ってことよね……
すごいなぁと思いながら、壱都さんと紗耶香さんを見た。

「白河と井垣は今まで犬猿の仲だったかもしれないけれど、結婚することで、過去の憂いを水に流してはどうかしら?お互いに悪い話ではないでしょう?」

< 37 / 240 >

この作品をシェア

pagetop