政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
泣き出した私の頭をお祖父さんは優しく撫でた。

「それでも、いつか終わりはくる。その時、お前を守ってくれる。あの男がな」

壱都さんが―――?
お祖父さんが選んだ私の婚約者。
それもひっそりと誰にも知られることのない相手。
いったいお祖父さんも壱都さんもなにを企んでいるのだろう。
私には教えてもらえなかった。
きっと私が二人の企みに気づくのはお祖父さんが亡くなった時なのだろう―――まだ泣くのは早いとお祖父さんは笑っていた。
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