政略婚~腹黒御曹司は孤独な婚約者を守りたい~
「じゃあ、朱加里(あかり)さん。私は一足先に日本へ帰るわね」

私が留学中、仲良くなった友人の見送りのために友人と歩いていた。
彼女の荷物を持って宿泊先のホテルから、二人で尽きないおしゃべりをしていたけど、ここでお別れ。
私の帰国は明日だった。

「うん。気を付けてね」

「そっちもね。それじゃ、また日本でね!」

友人はヒースロー・エクスプレスに乗って空港まで向かう。
手にはハロッズで買った紅茶とチョコレート、ロゴ入りのバッグとテディベア。
ハロッズテディベアは定番の赤い制服を着た近衛兵で、山のようにお土産を買ってしまったと笑っていた。
私も記念にキーホルダータイプのテディベアを購入した。
町子さん達にはハロッズのビスケットと紅茶。
お祖父さんには万年筆を選んだ。
よく手紙を書くからか、お祖父さんは万年筆を愛用している。
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