天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~



「白蘭!」


白蘭の羽が黒くなったのを見て月影は青ざめる。


「駄目だ!しっかりしろ白蘭」


月影が呼びかけると白蘭は目を開けた。


「月影…」

「白蘭っ。良かった…。はやく天界に帰り身体を癒そう…そして私たちの婚儀をあげよう」


月影が抱き上げ天界へと向かう。月影の腕の中、白蘭は紅蓮の姿を最後に見た。


紅蓮…これで本当にお別れね…。


私を殺し羽を斬り取り、愛していると囁いた人。


私も愛していたわ…。


それを最後に白蘭は意識を失った。


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