天空の姫Ⅲ ~二人の皇子に愛された娘~
なんという光景なの…。
「やめて…争わないで!」
白蘭は戦場で一人叫び訴えた。
だが天女である白蘭に誰も見向きもしない。
「…っ」
近くの岩が崩れ反射的に避けると、そこから争う一匹の白豹と一羽の火の鳥があらわれた。
「朱雀…気鋭…」
新しい戦神である二人は他の兵よりも周りが見えていない。
二人とも私の仲の良い友人だ。
気鋭が朱雀の羽を爪で裂き、朱雀が気鋭の毛皮を燃やす。
そして最も周りが見えていない者が現れる。
龍と鳳凰だ