黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?

 修は低い声で続けた。

「せめて俺がくるみの家を出るまでの間、ちゃんと今の俺と向き合って付き合ってみてよ。それでくるみがまだ結婚したくないって言うなら俺は諦めるから」

 私はその提案を聞いて、なんとか頭を回しながら、自分に有利な条件で修を頷かせようとする。

「うちもちゃんと出て行ってくれる?」
「あぁ」
「みんなにも誤解といてくれる?」
「あぁ。お祝い会も延期してもらおう。それでどう?」

 修はそう言うと、下を向いた私の顔を覗き込む。
 私は慌てて付け足した。

「……も、もう、へ、変なことしない?」
「これからは、くるみが嫌だって言うことはしない」
「ほんとに……?」

 訝し気に修を見ると、修は困ったように笑う。

「俺のこと信じられない?」
「うん」

 私がきっぱり頷くと、修も「……確かに」と呟いていた。

(日頃の行いってやつだよ……)

< 233 / 388 >

この作品をシェア

pagetop