黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
私は息を吸い、今から聞くかもしれないことを覚悟して口を開く。
「ひ、姫下さんって人に会った」
「姫下? 外科の?」
修は驚く様子もなく、静かに聞き返してくる。
私は修のその様子にまた眉を寄せて、修を見返した。
「彼女と付き合ってた? それで身体の関係もあった?」
「まさか」
「嘘つかないでよ! そんな嘘つかれるたびに、余計に私は不安になるっ……」
私はいつの間にかボロボロ泣いていた。
だって、修が大学時代にそういう関係が誰かとあったことがあるのはもう本人からも聞いていたから。