黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
家に戻ってコートを脱ぐより前、修が帰ってくる。
「おかりなさい」
「あれ? さっき帰ってきたところ?」
「うん。ちょっと実家に寄ってきた」
私が微笑むと、修も笑う。
「二人とも、元気だった?」
「修の方が知ってるくせに」
私が言うと、修は少しきまり悪そうに目をそらす。
それを見て思わず笑って、修の頬に手を添えた。相変わらず冷たい頬。
背伸びして、修の唇に口づける。
何度か遊ぶように口づけて、修の顔をまっすぐ見つめて私は口を開いた。
「修の過去も全部含めて、やっぱり私は修のことが大好きみたい」