黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
(っていうかなんであの人がここに? どうして……?)
いや、そもそも5年ぶりだ。見間違いかもしれない。
笑って見えたのも、見間違いだ。
きっと私の後ろに知り合いでもいたのだろう。よくある話だ、よくある勘違いの話……。
数十分後、何度もそう思って落ち着いてきたところで息を吐き、そっと研究室の扉を開ける。
右、左、上、下。よし。いない。