黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?

「なにしてんの、最低っ!」
「くるみが全部忘れるって言うなら、俺は全部思い出させるだけだ」

 修が手をすっと上げると、私はびくりと肩を震わせる。
 頬をするりと撫でられ、その熱に私はいつのまにか泣いていた。

「なによ……。もう、やめて」
「やめない。次は噛むなよ?」
「そんなのっ……! んっ……」

 次の瞬間、また唇が重なる。

ーーー5年ぶりのキスは、涙の味と、血の匂いがした。
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