黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?

 そのとき、栗山先生が研究室に戻ってきた。
 私は思わず栗山先生に近づき、

「栗山先生。あの……」

 と声をかけたが、それから何を言えば信じてもらえるんだろうと思って言葉に詰まってしまった。

 そんな私を見て、栗山先生は苦笑し、
「いや、うん。やっぱりそうだよね……」と言う。

(絶対誤解されてる!)

 そう思ったところで、鈴鹿先生が口を挟む。

「栗山先生。くるみちゃんの結婚祝いするけど、参加してくれない?」

「ぶっ!」
「け、結婚……」

 私は吹き出し、栗山先生は、何度も『結婚……』と呟いていた。
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