黒歴史な天才外科医と結婚なんて困ります!なのに、拒否権ナシで溺愛不可避!?
「あのね……」
先生が何か言いかけたのに気づかず、私は、立ち上がり、キッチンに向かう。
「ありがとうございます。あ、良かったら、りんごが実家から来てるんで持って行きませんか?」
「いや、待って! そんなことよりっ……あ、ごめ……」
なぜか栗山先生も突然立ち上がって、その拍子に、近くにあったゴミ箱が倒れて中身がそこにぶちまけられた。
そして、すっかり忘れていた……『あるもの』が、あろうことか、栗山先生の足元に落ちる。
(ぺらっぺらのヒモのやつーーーーーー!)
そう、修が誕生日プレゼントだと冗談交じりに最初に渡し、私がゴミ箱に投げ捨てた下着が出てきたのだ。