僕惚れ①『つべこべ言わずに僕に惚れろよ』
 この大学図書館には、今現在司書の有資格者が僕の他にもう一人いる。年輩の非常勤のかたで、週に二日ほど勤務されている内田さんという女性だ。

 実は、前年度までは常勤でここの先代館長をしておられた方で、僕が慣れるまでの一ヶ月間限定で引き継ぎに来ていただいている。彼女に習いながら、僕は日々の選書や蔵書の整理などを行っている。

 だが、さすがに館長だけで切り盛りするには図書館の規模に対して圧倒的に人員不足だ。

 それを補填(ほてん)するために、図書館学を専攻し、ゆくゆくは司書の資格を有するであろう学生の中から毎日一~ニ名程度、本人の講義がない時間帯に実務を兼ねて手伝いに来てもらっている。

 手伝いの学生たちには、そんなに高くはないがバイト代も支払われている。

 登録している人数自体は十名を軽く超えているのだが、真面目にバイトに来てくれるのはそのうちの半数にも満たないのが現状で……。
 招集をかければ来てくれるが、放っておくとバイトメンバーも顔なじみに固定されてしまう。
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