今日も久遠くんは甘い言葉で私を惑わす。
「それなら大丈夫ですよ。外には我が財閥が誇るボディーガード。今日は天音とずっと一緒にいるつもりですので」

「ぼ、ぼでぃーがーど……?」

「うん」


ついでに今日は校内に生徒に紛れてボディーガードも入っている。


「ごめんね……私のせいでそんな」

「は?なにいってんの?」


天音はなんにも悪くないのに。


「だ、だって……」

「それなら婚約なんてしなきゃよかった、なんて思わないでよね」

「ううっ……ありがとう……」


天音、怖がってるのかな?ぷるぷるしてる。


まぁ僕たちみたいに誘拐なれしてないし仕方がないか……。


「……天音は絶対俺が守るから。安心して」

「!ありがとう……!」

「なに言ってるんだ?生徒会長である僕が責任を持って天音ちゃんを守らせてもらう。」

「おいお前ら」

 
嫌いなヤツの声がして、視線をずらすとそこには……。


「蘭くん!!」

「天音を守るのは、俺だ」

「はぁ?なに言ってんの。天音ちゃんは俺が守るんですけど」


蘭の次は理人まで調子に乗ってくる。
 

「み、みんなっ……ありがとう、ございます……」


っていうかなんで蘭にも情報が行ってるんだよ。


「天音ちゃん!!!」

「?瑠夏くん!?」


いつのまにか教室に入り天音にどさくさに紛れて抱きついている瑠夏。


「おい離れねぇと次はお前を消すぞ」

「う、上杉しぇんぱい怖いっ……」

「あ、あはは……瑠夏くんは相変わらずあざといね……よしよし」


天音は瑠夏を弟だと思っているのか、天音を優しく撫でている。


「……僕が、天音ちゃんを守ってあげる!」

「えへへ、ありがとう!みんながこう言ってくれて、私とっても心強いよ……!!」


天音は安堵したのか、さっきより表情が穏やかになっていた。


「天音。おいで」


そう言って両手を広げる。
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