HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
私はソファに腰を下ろし、ショルダーバックから彼の待ち焦がれていたクリアケースに入れた婚姻届を取り出して、ローテーブルに置いた。
彼の目で最終チェック。
「ちゃんと書けているな…よしよし」
彼がひとりで呟いた。
「・・・来週一臂から秘書課に異動って横暴過ぎますよ…」
「俺が決めたワケじゃない。決めたのは父さんだ。俺にではなく、父さんに文句を言えっ」
私の無茶な異動を決めたとは会長だった。
「てっきり…社長かと思いました」
「俺は何もしてないぞ」
彼は腰を上げてプレジデントデスクに戻り、自分のブリーフケースに婚姻届を入れた。