HONEYHOLIC(2)運命ウエディング~身代わり見合いの代償は溺愛~
逢沢さんの淹れたコーヒーを二人で飲み、社長室から直通のエレベーターで地下駐車場へと向かった。

「どこに行くんですか?」

「ついて来れば分かる…」

社長は私に何も教えてくれなかった。

地下駐車場に到着すると先に降りていた逢沢さんが出迎えた。

「こちらです」

逢沢さんが一台の黒塗りの社用車に案内した。

「どうぞ」

逢沢さんが車の後部座席のドアを開けて、私たちに乗るように促した。

「ありがとうございます」
私は彼にお礼を言って乗り込んだ。
社長は何も言わず当然の顔で乗り込む。

逢沢さんは私たちが乗り込むと静かにドアを閉めて運転席に乗り込んだ。

「では、『ダイヤモンドホテル銀座』へと向かえます。社長」

「あぁ、頼む」

私は彼の言葉で行き先がどこなのか初めて知った。
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